スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.28
「短槍(たんそう)について」

田邊哲人会長
INDEX
74.「部外競技 本部講習会」
73.「ワンステップ上へ」&「得物自由(異種対戦)解禁」
72.平成27年度 本部講習会の解説
71.提出書類作成について
70.本年の本部講習会
69.第40回世界選手権大会
68.第40回全日本選手権大会
67.日本体育協会 加盟
66.田邊会長 藍綬褒章 受章!
65.「第39回全国少年少女選手権大会について」
64.「第262回大学生対象本部講習会」
63.「指定審判員」と「指名審判員」
62.スポチャンクラブと"オールマイティ審判"
61.平成26年度 本部講習会
60.第39回世界選手権大会
59.第68回国民体育大会in東京
58.審判員審査 について
57.種目別 1級基本動作審判員について
56.第38回全国少年少女選手権大会
55.1級審判員及び検査役の資格、及びベスト(ビブス)着用の義務
54.大会の出場資格について
53.称号(錬士・教士・範士)について
52.指導者の資質
51.都道府県市区町村 体育協会加盟への勧め
50.第38回世界選手権大会
49.公益財団法人 日本体育協会加盟祝賀会
48.第6回アジア・オセアニア選手大会
47.第38回全日本選手権大会
46.第4回田邊杯争奪戦スポーツチャンバラ大会
45.第7回ヨーロッパ大会 in Russiaについて
44.本部講習会(直伝会)について
43.棒・杖について
42.楯長剣
41.第37回世界選手権大会
40.新しい人
39.総会報告と異種競技審判員の説明
38.全国レク大会・全国スポレク祭・国体について
37.第36回世界選手権大会について
36.第6回ヨーロッパ大会について
35.団体戦について
34.第35回世界選手権大会
33.下期講習会、短刀のルール改正
32.第4回アジア・オセアニア大会について
31.本部主催講習会(上半期)
30.第35回全国少年少女大会について
29.指導者について
28.短槍について
27.師範・師範代について
26.第34回世界大会
25.初心者への指導方法について
24.一級審判員及び一級審判員講師講座について
23.スポチャン記念碑
22.第34回全日本大会
21.第34回全国少年少女大会
20.第5回ヨーロッパ大会を終えて
19.クラブ制度について
18.第33回世界大会
17.第20回スポレク祭
16.第2回アジア大会
15.第33回全日本大会
14. 基本動作一級審判検定
13. 第33回全国少年少女大会
12. 第4回ヨーロッパ大会
11. 段級について
10. 2006年10大ニュース
9. 小太刀護身道からスポチャンへ
8. 小太刀護身道のはじまり
7. 基本動作の解説
6. 第32回少年少女大会を終えて
5. 「師匠」について
4. 第32回全日本大会を終えて
3. スポーツ拠点推進事業
2. 基本動作について
1. 第31回世界大会を終えて

短槍(たんそう)とは何ですか?


  短槍とは短い槍のことですね。概ね1メートルから1.2〜1.5メートルです。それから言うと、2メートルの槍は長槍(ちょうそう)と言うことになりますね。
このスポチャンには特に小学生が多く、低学年では自分の背丈の2倍近くはあるこの2メートルの槍を、まずは操作する事自体無理でしたね。それでも槍を好きな人たちがいて有段者も相当いますが、反面、長槍の級を取得するチビッコ選手が少ないのが現状です。小学生などにも楽しめるように、まずは短槍から始めるのが良いでしょう。

  私が昔、指導していたものは2メートルの槍よりは若干短く、約1.5メートル位。その短い槍(短槍)を巧みに使う術を教えていました。この短槍を巧みに使うのは、長槍より攻防の幅があって誰でも"はまる"と思いますよ。極めて実用的ですからね。突いたり払ったり、避けたりと、かなりショートレンジでスピーディーな刺突の攻防を理解し楽しむ競技です。また運動量も相当多いのでダイエットにも良いですよ。




得物は長剣を使うそうですが。


  そうですね、練習では従来の1メートルの長剣を使い、ソフト剣の柔らかな部分も握って左構えに構えます。そもそも構えには3つあって、正面構え、右構え、左構えがありますが、短槍の場合、左構えが標準的な構えです。
左構えとは、左足を半歩前に出し、剣を握った左拳を左腰から30センチ程前方へ出し構えます。右拳は長剣の柄を握り、腰の部分に固定保持します。要約すると、左手は空気の入った柔らかな部分を持つことになり、剣先は拳から約30〜50センチほどが出ます。これは身長差によっても変わるでしょう。接近戦での攻防は、その前に出ている剣先で相手の剣を巧みに払って返突する。その狙う所は、心臓部即ち上胴(うわどう)です。
  また間合いを長くとったロングレンジで戦う事もできます。それは"くり剣"と言い、左手を緩く持ち、左手を起点としてビリヤードのキューを突き出す感覚を想定していただければ分かり易いと思います。そうすると1.5メートルの距離からでも相手を刺突できるわけです。この様に相手と接近したり離れたり払ったり、突いたりして戦うところが面白いのですね。

  この競技の重要な部分は、刺突もさることながら、残心と称して大きく引き抜く動作、それに伴い大きく発声することが心肺の運動となるのです。「3分の力で突いたら、7分の力で引く」と言うように引きは大変に重要で、突いた後、腰を入れ直して思いっきり引きます。思いっきり引き抜く意味は、実践では相手に槍を掴まれてしまう事があるからですね。腰を入れ直して思いっきり引き抜けば、もし槍を掴まれたとしても引き抜く事ができます。
これらが槍の最低限の基本です。




面白そうですね。
短槍と言うカテゴリーが増えるのですか?


  短槍のカテゴリーが増えると言うより、まずは長槍より扱い易い短槍を使って「理合(りあい)」を覚えてから長槍を扱う方が入りやすいのです。短槍は長槍と違って、思った所を突くことができます。操作が楽なのですね。

  既に特錬会でも2メートルの長槍を子ども達にやらせてみても、とにかく、先ず"直突"できない。真っ直ぐに突けないのです。槍の先がどこに行くのか見当もつかない。これは大人でも同様で、思ったところを突けないから、大方はまぐれ当たり。勝つのもまぐれ、負けるのもまぐれという感じです。従って見ている者も緊張感に欠けて非常につまらないし、審判とて、どれを一本取ればいいのか戸惑っている。そんな見苦しい試合になっています。これは私が審判をしても同じで、私の知る限り数人を除いて、ほとんどがこの様な始末です。
これは槍先が流れてしまうためです。槍先はショートしてもオーバーしてもいけません。「一寸当て止め」の基本を知らないから様(さま)にならないのです。「一寸当て止め」とは、槍先を"そこで"止めることです。先ずは距離間から直さなければならないでしょう。

  姿勢は、両足をどっしりと肩幅に地につけ安定させます。そして左構えの姿勢の左拳を規準として、上・下・左・右を防御する練習から始まります。相手の刺突を、自分の槍を前に突き出して左を防ぐ、右を防ぐ、上を防ぐ、下を防ぐ。その4つができて始めて、相手の槍を外したところをつかさず返し突。これを返突(へんとつ)と言います。

練習の号令は
「左を防げ 突け」で左側(裏側)に入ってくる相手の剣を剣先で防いで、上胴を突く。
「右を防げ 突け」で右側(表側)に入ってくる相手の剣を剣先で防いで、上胴を突く。
上下も同様です。

  そもそも槍は、何と言っても直線的に最短距離を、瞬間的なスピードで相手の上胴めがけて直突するのが主たる使術です。しかし相手のいる競技ですからそう簡単には入りません。返突したり、槍を払ったりと言う攻防となります。
  この様に槍は、基本や使術自体が他の得物とは大分異なりますので、大会では正しく槍の基本を理解している審判が審判する事が必要なのですね。

  本年は私が全国8地区を巡回し、
1,「1級基本動作審判員」 2,「短槍 審判員・指導者」 3,「長剣両手 審判員・指導者」
について講義します。

参加者は指導者資格が得られます。奮って参加して下さい。
短槍や長剣両手は少年少女も大いに楽しめる競技だと思いますよ。
各指導者は、是非、全員の参加を希望します。

【講習会要項】
09:30開会式
10:00各地域の現況説明
10:10短槍の基本(模範と理合説明)
11:30〜応用動作と段級の試験と指導ポイント
12:00〜審判試験
昼食
12:40 1級基本動作審判員の試験
13:30 長剣両手の基本動作と応用
14:00 長剣両手の審判と段級試験の要領
15:00 質疑応答
終了

【1級2級審判講習会・新指導者講習会スケジュール】 スケジュール一覧表(連絡先等はこちらからご確認下さい。)
3月15日(日)第1回東北地区(山形県)
3月22日(日)第1回関東地区(東京都)
3月29日(日)第1回近畿地区(兵庫県)
4月19日(日)第1回四国地区(香川県)
5月17日(日)第1回北海道地区(北海道)
5月23日(土)第1回東海四県地区(静岡県)
6月14日(日)第1回中国地区(島根県)
6月21日(日)第1回九州地区(熊本県)
6月28日(日)第1回四国地区(高知県)
8月30日(日)第1回近畿地区(滋賀県)
9月13日(日)第2回東北地区(宮城県)
10月 4日(日)第3回東北地区(青森県)




有り難うございました。
次回のインタビューもお楽しみに!!

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